HISTORY
インターネット黎明期
UNIXネットワークから始まる
1980年代
当時は圧倒的なシェアを占めていたMS-DOSのパーソナルコンピュータ、NEC PC9801上でCADシステムの開発を行っていたが、当時のパソコンの処理能力の低さ、グラフィック解像度の低さなどから、本格的なCADを運用するには厳しい環境であった。
そこに、スーパーミニコンピュータ(スーパーミニコン)の処理能力を持つコストパフォーマンスの良いEWS(エンジニアリング ワーク ステーション)として1987年、Sonyより、UNIXワークステーション NEWS(ニューズ) が発表され、1988年、当時は大変若かった開発スタッフの熱意により社長を説得し、開発用に導入を行った。
「これからは、CADはパソコンの時代です」と言いながら、当時のPCの能力不足は拭えず、当時のスーパーミニコンの花形機種 ディジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)のVAX-11/780等は、建築デザイン事務所では高額過ぎて購入が難しく、開発スタッフは高価なスーパーミニコンにコンプレックスを感じていた面も在った。
そんな中、NEWSは誠にタイムリーに登場したEWSであった。
日本のインターネットの前身
JUNETに参加
NEWSに搭載されたBSD系のUNIXを運用しながら、MS-DOSのPCでは実現できなかった新しいCADの開発へと進み、Xwindowを利用するCADの商品を短期間で行ったわけであるが、その際、UNIXのEWSが特徴とした、開放型分散処理の積極利用にも進み、UNIXネットワーク利用に邁進し、社内開発環境はすべてTCP/IPによるLAN接続とし、NFS(Network File System)を利用。MS-DOSのPCでは出来なかった事はなんでもしたかった。開発スタッフ一同、ネットワークの将来性に注目。
ネットワーク利用を更に進めるべく、インターネット前身である学術ネットーワーク「JUNET」に参加、UUCPによるメールとネットニュースの利用を行う。
JU-NETから広域TCP/IPネットワークへ
1990年
東京大学計算機センターの協力により、arc-s.co.jpドメインの取得申請。
co.jpでの申請は100番目以内での早期取得。
同時に133.242.xxx.xxxのクラスB IPアドレス取得。
(当時、クラスB お1つでよろしいですか? と聞かれて、遠慮して1つにしたが、2~3個貰っておけばよかったという冗談みたいな話が・・・)
ドメイン、IP取得後、インターネットイニシアティブ(IIJ)とダイアルアップUUCP接続。
1991年
近隣大学のネットワーク構築とドメイン取得代行を行ったのを機会に、その大学にアナログ専用回線を接続させていただき、東京大学とUUCP接続。
1992年
UUCP接続から専用回線へ接続変更。
メールの送受信がリアルタイムで行える環境になった。
メールのやり取りは、インターネットの技術情報の交換が大半。(インターネットメールを使用しているのが理工系大学・研究機関に限られていた。)
当時、アメリカの大学のUNIXサーバーに、自分のデスクトップからリモートログインし、向こうのユーザとtalkコマンドでリアルタイム・テキスト会話ができ、大変に感動。
未来を感じる。(今では、同じようなことがスマホで誰でも出来るようになりましたが。)
この時期、立ち上がり始めた民間商用プロバイダーのサーバー立ち上げの支援業務、コンサルを行う。
ブラウザーの登場とWebDesign事業部
1993年
CERNがWWWの利用を一般開放し、最初の汎用WEBブラウザー NCSA Mosaic(NCSA マーク・アンドリューセン開発)が発表される。
同年、HTML1.0公開 W3C勧告としてHTML 4.0の仕様が発表されるのは4年後の1997年まで待たなければいけなかった。
インターネット上で、ハイパーテキスト(今や当たり前なので完全に死語)を扱えるグラフィカルインタースが登場し、早速、試しにホームページという物を作ってみる。
美大系デザインスタッフとプログラム開発スタッフが一緒に業務を行っていた会社である事が幸いし、Webのデザインについては何の問題も無く実行。
WWWとブラウザーの利用にインターネットの将来性を見つけWebDesign事業部を設立。
自社開発CADにインターネットサポート機能実装。早すぎた開発。
インターネットの将来性に感銘を受けたCAD開発チームは、CAD機能の中に、URLリンクサポート機能の実装を行った。CADの図形オブジェクトの属性に、リンク属性を設定し、URLの文字列を埋め込むと、ブラウザーでリンク先を表示させるという当時としては先進的過ぎた機能。
WebDesign事業部 本格的業務スタート
ネスケ vs IE 戦争開始
1994年
自社ホームページの本格的立ち上げを皮切りに、様々な企業からコンテンツ相談を頂き、早々にWebコンテンツのコンサルとデザインを開始する。インターネット早期進出を始めた大手メディア企業のホームページ立ち上げを行う。
また、教育・研究機関のネットワーク行構築とコンサル業務も増加。
ブラウザーはNetscape1.0公開
1995年
Netscape2.0公開(JavaScriptサポート)。
Windows 95に搭載された Internet Explorer と激烈なシェア争奪戦争始まる。
Netscapeの方がIEより若干サポート機能が先進的であったため、ネスケで見れるがIEでは見れない問題が発生。現在にも引き継がれるChrome vs IE 問題の原型。
ちなみに、IE 1.0 ではテーブルをサポートしていなかった。
以後、Webコンテンツの開発、制作の業務が多くなり、CAD開発の比重が低下。
一味違うWebDesign事業部
以上のような、インターネットの黎明期よりUNIXネットワークを積極的に構築、使用してきた実績、各種のブログラム開発経験の上で、ホームページの作成を行っているので、単にグラフィカルなデザイン面のみで制作を行わず、インターネットの理解、技術面での優位性が大変高いという点が大きな特徴となっている。